株式会社日本テレネット(かぶしきがいしゃにほん-)は、かつて存在していたゲームソフト制作会社。
概要[]
1983年、パソコン用ゲームソフトの制作を目的に設立された。8ビットパソコン時代は大手メーカーの一角として、1990年代前半はPCエンジンやメガドライブなどでソフトを発売していた。
後にウルフチームとして独立する開発チームが製作した『ファイナルゾーン』や『夢幻戦士ヴァリス』といった、オープニングやエンディング、ステージ間でビジュアルシーンを採用した作品がヒットした事で、ビジュアル重視の製作スタイルを確立。以後このスタイルは同社作品最大の特徴となる。CD-ROM²・SUPER CD-ROM²やメガCDで大容量メディアのCD-ROMを扱える様になるとビジュアルシーンにアニメーションを積極的に導入し、鍋島修や、一時期同社に所属していた越智一裕といった有名アニメーターをビジュアルシーン制作(演出、デザイン、原画)に迎える等、この傾向をさらに加速化させた。
しかしゲームの出来は良いとは言えず、売り上げが低迷。その後は開発をスーパーファミコンに絞り、ブランドをウルフチームに統一。1995年頃からテイルズシリーズの開発、パチンコ・パチスロ関連の事業が中心となっていった。
2003年3月10日、ナムコ(現バンダイナムコゲームス)との共同出資でナムコ・テイルズスタジオを設立し、開発スタッフの大半はそちらへ異動。ウルフチームブランドは消滅し、コンシューマー事業から事実上撤退。2004年には雄図グループが運営していたアダルトゲームのストリーミング配信サイト・BB5.jpを買収し、ダウンロード販売事業に進出した。
2007年、アメリカ合衆国に置いていた子会社での経営失敗や採算性の低下で債務超過に陥ったため、子会社だったコムシードなどの保有株式の売却やゲームソフトの営業権譲渡などで経営再建を図っていたが、同年10月25日、事業を停止。負債総額は約10億円と報じられている[1]。
なお譲渡後の一部ソフトはアダルトゲーム化されるなど、それまでの作品と異なるイメージで発表された。
2009年2月28日に発売されたコミック単行本『夢幻戦士ヴァリス Vol.2』のコピーライト表示が「©STARFISH-SD」となっている。また、スターフィッシュよりニンテンドーDS向けソフト『東京トワイライトバスターズ』が、パソコン用に日本テレネットが発売した同タイトルソフトと同じロゴで発売される予定である。同年12月には、サン電子が日本テレネットから発売されていたゲーム(100タイトル以上)の版権を取得した[2]。
沿革[]
- 1983年10月 - 株式会社日本テレネット設立。
- 1987年3月 - 開発室であったウルフチームを、子会社として分社化。
- 1988年10月 - ヨドバシカメラとの共同出資により、新日本レーザーソフトを設立。
- 1990年3月 - 米国カリフォルニア州に販売会社、レノベーションプロダクツを設立。
- 1990年6月 - 新日本レーザーソフトを完全子会社化。
- 1990年7月 - ウルフチームを完全子会社化。
- 1991年1月 - ウルフチーム、新日本レーザーソフトを吸収合併。
- 1991年6月 - 本社を新宿区東五軒町より豊島区北大塚へ移転。
- 1991年12月 - マイクロワールド(現・コムシード)設立。
- 2001年4月 - コムシードに携帯電話向けコンテンツ配信サービス事業を譲渡。
- 2002年9月 - テレネット・ジェイアール(現・アイロゴス)設立。
- 2003年3月10日 - ナムコ(現・バンダイナムコゲームス)との共同出資により、ナムコ・テイルズスタジオを設立。
- 当初の出資比率はテレネット40%、ナムコ60%だったが、2005年にはバンダイナムコ94%、その他6%、2009年6月にはバンダイナムコ100%となる。
- 2004年6月 - 雄図グループのウェブレックスが運営していたアダルトゲームのストリーミング配信サイト・BB5.jpを買収。
- 2006年2月 - テレネット・ジェイアールをデジタルアドベンチャーへ売却。
- 2007年10月 - 負債10億円で事業を停止
主なソフト[]
ウルフチームブランドでの発売タイトルはウルフチーム参照
PC[]
- アメリカントラック
- アルバトロス
- FINAL ZONE
- 夢幻戦士ヴァリスシリーズ
- プロ野球FAN
- めいず君
- 神羅万象
- PRISM
- 紫醜羅
- 反生命戦記アンドロギュヌス
- デスブリンガー
- ルクソール
- エグザイルシリーズ
- デジタル・デビル物語 女神転生
- サイバーシティ
- 妖撃隊〜邪神降魔録〜
- めっちゃGOLF
PCエンジン[]
- ヴァリス2〜4 - レーザーソフトブランド
- 夢幻戦士ヴァリス
- エグザイルシリーズ
- 天使の詩シリーズ
- FINAL ZONE2
- SUPER アルバトロス
- コズミック・ファンタジーシリーズ - レーザーソフトブランド
- なりトレ〜ザ・スゴロク'92〜 - レーザーソフトブランド
- デコボコ伝説 走るワガマンマー
- BABEL - レーザーソフトブランド
- デスブリンガー
- ぽっぷ'n まじっく
- 未来少年コナン
- TRAVEL エプル
- ブロウニング
- レッドアラート
- アヴェンジャー
- レギオン
- F1チームシミュレーション プロジェクトF - レーザーソフトブランド
- レディファントム - レーザーソフトブランド
- 迷宮のエルフィーネ - レーザーソフトブランド
- サイキックストーム - 開発:アルファシステム
- キアイダン00 - 開発:アルファシステム
- 雀偵物語 - 開発:アトラス
- パズルボーイ - 移植
- サーク1,2 - 移植
- ハイグレネーダー
- コラムス -移植
- ゴールデンアックス - 移植
- サークIII - 移植(発売:NECホームエレクトロニクス)
- LASER SOFT VISUAL COLLECTION Vol.1 コズミック・ファンタジー ビジュアル集 - レーザーソフトブランド
- LASER SOFT VISUAL COLLECTION Vol.2 ヴァリス ビジュアル集 - レーザーソフトブランド
- コラムス - 移植、レーザーソフトブランド
- ポリス・コネクション - レーザーソフトブランド
メガドライブ[]
- ヴァリスIII
- SDヴァリス - 外注作品
- ガイアレス
- 港のトレイジア
- 空牙 - 発売
- イース3 -ワンダラーズフロムイース- - 移植
- エグザイル
- ビースト・ウォーリアーズ
- グランドスラム
メガCD[]
- 魔法の少女シルキーリップ
- Aランクサンダー 誕生編
- コズミックファンタジーストーリーズ
- デスブリンガー 秘められた紋章
- サイボーグ009
スーパーファミコン[]
- ス-パーヴァリス 赤き月の乙女 - レーザーソフトブランド
- 対決!ブラスナンバーズ - レーザーソフトブランド
- サイコドリーム
- ダークキングダム
- SANKYO Fever!
- Parlor!シリーズ
- エースをねらえ!
NINTENDO64[]
- Parlor!PRO64
プレイステーション[]
- Parlor!シリーズ
- テイルズ オブ デスティニー
- テイルズ オブ ファンタジア
- テイルズ オブ エターニア
プレイステーション2[]
- テイルズ オブ デスティニー2 - 以降のシリーズはナムコ・テイルズスタジオが制作
- エンジョイゴルフ - 発売元:CBC
- 麻雀飛龍伝説 天牌 - 発売元:CBC
- まーじゃんパーティー☆アイドルと麻雀勝負 - 発売元:CBC
ニンテンドーゲームキューブ[]
- ワイワイゴルフ - 発売:アイドス・インタラクティブ
その他[]
アダルトゲーム化されたタイトル[]
カッコ内は発売メーカー。
- ヴァリスX(イーアンツ)
- アークスX(イーアンツ)
- 魔法の少女シルキーリップ(Waffle(有限会社センキ))
かつて在籍していた主なクリエイター[]
- 池亀治 - 元グローディア代表
- 秋篠雅弘 - 元ウルフチーム代表取締役。元Jフォース代表取締役
- 谷裕紀彦(Bug太郎) - ネクスエンタテインメント取締役
- 福島孝 - メディア・ビジョンエンタテインメント代表取締役
- 金子彰史 - 元メディア・ビジョンエンタテインメント常務取締役。現ウィッチクラフト代表取締役
- 五反田義治 - トライエース代表取締役
- 初芝弘也 - トライクレッシェンド代表取締役
- 菊池英二 - ナムコ・テイルズスタジオプロデューサー
- 西健一 - Route24代表
- 則本真樹 - トライエース
コンポーザー[]
漫画家・イラストレーター[]
- 山根和俊
- 西安 (漫画家)
- J・さいろー
- 森山大輔 (森山犬)
- 安森然
関連会社[]
- コムシード
- 携帯電話用のパチンコ情報サイトを運営している。
- テレネット・ジェイアール
- 国内主要3キャリア向けに各種携帯サイトを運営している(デジタルアドベンチャーに売却され、現:株式会社アイロゴス)。
- テレネット・ゴルフオンライン
- ゴルフ関連サービス。
関連ブランド[]
- ウルフチーム
- Jフォース
- トライエース
- ナムコ・テイルズスタジオ
- 新日本レーザーソフト
- コムシード
- レノ(RENO/Renovotion game)
- ライオット(RIOT/第1開発事業部)
- メディア・ビジョンエンタテインメント
- メディアエンターテイメント
- テレネット・ジェイアール
- マイクロワールド(ローカライズされた海外タイトルの販売ブランド)
脚注[]
- ↑ (株)日本テレネット~事業停止 (東経ニュース倒産情報)2007.10.29
- ↑ サン電子 (2009年12月10日). “サンソフト、日本テレネットの版権を取得” (日本語). 2009年12月10日閲覧。
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